(EXHIBITION)
西脇衣織 個展 「どこかの誰かになる旅」
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■展示について
この度、西脇衣織の個展「どこかの誰かになる旅」を開催いたします。
西脇は一貫して、古紙や古書といった「誰かの生活の痕跡」が染み込んだ素材を用い、ドローイングとコラージュを駆使したビジュアルアートを制作しています。
特筆すべきは、その素材の収集方法です。作家は父親の仕事の手伝いを通じて、遺品整理に近い作業で「誰かが暮らしていた場所」を訪れます。人が去った後の部屋には、不在であるにもかかわらず、その生活の痕跡や独特の空気感が濃厚に残っています。西脇は、この不思議な「存在の残滓」がもたらす居心地の良さに強く惹かれてきました。
残された生活の断片を、作家自身のフィルターを通して解体し、切り貼り(コラージュ)を重ねて再構築する。この営みを通じ、訪れた人々の人となりや、失われた時間の記憶が浮かび上がります。同時に、その過程で、素材は作家の「勝手な解釈と手」によって形を変え、作品へと昇華していく不可逆な変化の感覚(諸行無常)が生じます。西脇は、この「誰かの時間」が「作家の時間」を経て、新しい存在へと生まれ変わる循環こそが、自身の作品が伝えたい核心であると考えます。
さらに、制作された作品もまた、誰かの手元で時を経て風化し、いずれは忘れられ、何者でもない状態へと戻っていきます。この絶え間ない循環を、作家は「旅のような時間」と捉えます。本展を通じて、作品が観る者それぞれの記憶と邂逅することで、初めてその存在を確かなものとして得られることを期待しています。
(INFORMATION)
■展覧会概要
会期:2026年1月16日(金)~ 1月25日(日)
※オープニングレセプション:2026年1月16日(金) 18:00~21:00
どなたでも参加可、ドリンクの提供のみ
時間:13:00~19:00
OPEN : 月・木・金・土・日・祝
CLOSE : 火・水
入場無料
会場: SHUTL
企画:keshik.jp
(PROFILE)
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西脇衣織 / Iori Nishiwaki
1995年生
京都精華大学版画コース卒業後4年間東京を拠点に活動、現在は京都に移住し制作を続けている。古紙にドローイング、ペイントしたものを素材にしてコラージュで作品制作を行なっている。幼少期から自分がそこに存在してるという実感のないまま育った為か、街に人知れず佇み、風化していく存在に自分を重ねることが多い。重ねられた壁の落書きや貼り紙、誰が何のためにそこに置いたのかさえ不明な石、出口がなくなりそこで亡くなってしまった虫達の亡骸、そういった存在は、自身の大部分であり、制作において多大なインスピレーションを受けている。今回の個展で展示する作品も、そういった街の風化をコンセプトに街に落ちていた廃材や古紙を使用した作品展開を行っている。
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