(REPORT)
【REPORT】都内のアートスペース紹介

日本のアートシーンは、多様な価値観や表現が織り重なりながら、絶えず進化を遂げています。それに呼応するかのように、アートに触れることのできる場もまた、都市のあちこちに芽吹いています。
その中で、SHUTLの企画運営を担う株式会社マガザンの企画ディレクター・黒田純平が今訪れてほしい注目のアートスペースをご紹介します。
文:黒田 純平(株式会社マガザン)、編集:小倉ちあき
都内アート事情|アートは“日常の間”にある
東京は、日本のなかでもアートの熱量がもっとも濃く感じられる場所のひとつ。ギャラリーやアートスペースの数は都内で約2,600軒、銀座エリアだけでも約300軒といわれています。
私たちSHUTLも、アートをはじめとしたさまざまなジャンルの展覧会やイベントを年間を通じて開催しています。私自身も2年前から東京に拠点を移して以来、日々新たな展覧会が始まり、終わり、また次の企画が生まれる、そのサイクルのなかで暮らしています。アートスペースは、作品と出会う場であると同時に、インスピレーションを受けられる場所。今回は、そんなアートスペースをいくつかご紹介します。
東京駅〜銀座駅の間にある、ギャラリー
まずご紹介するのは、2023年9月にオープンしたアートセンター「BUG」。このスペースは、株式会社リクルートホールディングスが社会貢献活動として、30年以上銀座で運営してきた2つのギャラリーの経験をいかして設立されました。
アーティストやアートワーカーはもちろん、社会人や学生、海外観光客まで、多様な背景をもつ人々が訪れるこの場所は、新しい視点や人、物事に出会えるひらかれた場所となっています。私も展覧会やトークイベントなどでたびたび足を運びます。東京駅からすぐという立地も嬉しいポイント。併設のカフェは、展示の余韻に浸りながらのひと息にも、待ち合わせにも最適です。
展覧会のほかにも、アワードやワークショップなど参加型のプログラムも豊富。アートに関わる道を歩もうとしている人や、創作活動や制作に悩むアーティストにとっても、“灯台”のような心強い場所だと思います。

BUG、外観

「キャラクター・マトリクス」(2024.8.30-9.16)の会場風景 Photo:奥祐司
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アートセンター「BUG」
〒100-6601 東京都千代田区丸の内1丁目9−2 グラントウキョウサウスタワー 1階
リンク:https://bug.art/ (BUG)
https://recruit-holdings.com/ja/blog/post_20241022_0001/
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東京駅〜銀座のエリアには、そのほかにもアートに触れられる場所がいくつもあります。
続いてご紹介したいのは、銀座にある名門のギャラリー。「銀座メゾンエルメス フォーラム」は、銀座のガラスの塔の中に広がる静謐な空間で、まるで時間の流れがゆるやかに変化する“知的な異空間”。エルメスの哲学に基づく活動を行うエルメス財団が運営するこのギャラリーでは、新進気鋭の作家を紹介する展覧会も多く、予想を裏切るようなキュレーションに出会えることもあります。現代を生きるアーティストによる多彩な表現と出会える場であり、現代アートにとどまらない、ジャンル横断的な企画が多いのも特徴です。

©Nacása & Partners Inc.
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銀座メゾンエルメス フォーラム
〒104-0061 東京都中央区銀座5-4-1
リンク:https://www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/
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そして最後に、SHISEIDO GALLERY(資生堂ギャラリー)。1919年に創設された日本最古の企業ギャラリーのひとつで、銀座の地に根を下ろしながら、現代アートと文化への支援を一貫しておこなってきました。5mを超える天井高をもち、銀座地区で最大級の空間では、若手から中堅、国際的なアーティストまで幅広いラインナップで、現代社会への鋭い問いを含んだ企画展が展開され、訪れるたびに新たな思考の扉を開いてくれます。
そのほか画廊やアートギャラリーが沢山あり、アートマーケットの現在を体感することが可能です。このエリア内だけでも、きっと一日中アートに触れられるでしょう。

撮影:加藤健
(PROFILE)
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SHISEIDO GALLERY(資生堂ギャラリー)
〒104-0061
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
Tel.03-3572-3901
Fax.03-3572-3951
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終わりに
今回ご紹介したアートスポットは、東京にあるアートスペースのほんの一部に過ぎません。都内には独自のコンセプトを持ち、地域や分野を越えて展開するスペースが無数に存在しています。私自身も東京に住み始めてまだ約2年。日々さまざまな場所や展覧会に足を運び、まだ出会っていない表現に触れることが、日々の小さな喜びとなっています。
そして、私たちが運営するアートスペース「SHUTL」もその一端を担う場として、これからも新しい企画をお届けしていきます。この記事を参考に、休日にアートスペースを回ってみるのはいかがでしょうか。
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