(INTERVIEW)
【INTERVIEW】Local Visions×SHUTL「LAF」鼎談 前編

2025年9月13日(土)、東銀座のアートスペース SHUTL にて、2周年を記念した特別企画イベント「LAF(Launching Authentic Futures)」を開催しました。
本記事では、SHUTLのコンセプトである” Launching Authentic Futures” をテーマに、音楽と映像、自由な空間演出が交わる体験を一緒に作り上げた音楽レーベルLocal Visionsのお二人とディレクターの黒田の対談記事を収録しました。
ライター / インタビュアー
Kotetsu Shoichiro
インタビューイ
sute_aca(Local Visions)
Tsudio Studio (Local Visions)
黒田純平(SHUTL)
【イベントのそもそものコンセプト、黒田氏とLVの関係性、出演者について】
黒田さんとLocal Visionsが出会ったきっかけからお話していただけますか?
黒田 純平(以降、黒田):もともと、自分がまだ京都にいた2017~2018年ごろに、SoundCloudでSNJO*と出会って、そこからLocal Visionsのことも知りました。
そこから京都のクラブメトロでLocal Visionsと「Yu-Koh」というイベントのきっかけ作りなどに協力したり、LV関係のアートワークのお手伝いしたり、ちょっとずつ関わるようになった感じです。
SNJO / Local Visionsから多数リリースしているアーティスト。過去、SHUTLのイベントにもビジュアル制作などで参加している。
捨てアカウント(以降、sute_aca):「Yu-Koh」は黒田さんの尽力で成功したイベントでしたね。いろいろな場面でお世話になっていて、レーベルの恩人だと思っています。
黒田:なので、Local Visionsとの付き合いは長いですが、本格的に仕事として関わるようになるのは、自分がSHUTLのディレクターに関わるようになってからですね。
SHUTLとはどういう場なのでしょうか?
黒田:SHUTLは、松竹株式会社が運営する実験的アートスペースという位置づけにあります。様々なコンテンツの展示・イベントなどやってきて二年経ちました。
Local VisionsとSHUTLが繋がったきっかけは?
黒田:オープンして一年経った頃、何日かSHUTLのスケジュールが空いている日があったのですが、ちょうどLocal Visionsが渋谷のクラブでイベントをするタイミングだったんですね。
それで、SHUTLでLocal Visionsのポップアップのようなイベントができないかとsute_acaさんに相談しました。それが最初の企画ですね。
Tsudio Studio(以降、Tsudio):自分が黒田さんと知り合ったのも、そのポップアップが最初ですね。SNJOくんの友人ということで以前から知ってはいましたが、より深く関わるようになったのはSHUTLでイベントをやるようになってからです。
黒田:次に、2025年に入ってmeowさんの展覧会も兼ねたイベント『YUME EXPO』『On Site』といった企画もSHUTLで開催しまして、こちらのイベントも多くの反響をいただきました。それで、SHUTLのオープン2周年イベントの際には、Local Visionsにお願いしようと思い、それが実現したのが先日の「LAF」となります。
我々としても、展覧会やポップアップだけでなく、実験的なイベントの場としてSHUTLを使いたい意向がありましたし、Local Visionsとの関係性も過去のイベントを通してでき上がっていたので、自然な流れだったと思います。
「LAF」というタイトルも、企画した黒田さんによるものですか?
黒田:はい、「LAF」はSHUTLのコンセプトである”Launching Authentic Futures”の頭文字で、これは『未来のオーセンティック(伝統、正統派)を築く』という意味ですね。
なおかつ、イベントとしてはあくまで「ラフ」に楽しめるように、という意味を込めて、このタイトルになりました。
イベントの具体的な段取りや、出演者はどのように決めていったのでしょうか?
sute_aca:アンビエントとビート・ミュージック、という対比は最初に構想としてありました。それをテーマにしつつ、SHUTLという空間に調和する音楽性をひとつの基準として、Local Visionsと縁のあるアーティストを中心にお声がけしました。
LAFイベント風景
Tsudio:『On Site』で、SHUTLでのイベントの空気感は知っていたので、クラブでもないしギャラリーでもない、その中間のような空間を想定して企画を進めました。それと、周年イベントなので、ストイックになり過ぎず、賑やかな要素もあればいいなとも考えていましたね。ライブの合間のDJは自分とsute_acaさん、そして我々が以前から大好きなSoshi Takedaさんにもお願いしたり。
ある程度、自分が人選についてまとめたものを、sute_acaさんにシェアしたんです。するとsute_acaさんから追加で、Cwondoさんの名前が挙げられたんです。
sute_aca:Cwondoさんは以前、カトーマサカーというイベントで共演した際に印象的だったので、是非「LAF」にも出てほしいなと。settaさん、Gimgigamさんは先ほどのテーマでいうとビート・ミュージックという観点からのオファーですね。
個人的にはTill Yawuhさん、AOTQさんのパフォーマンスが印象的でした。
Tsudio:Till Yawuhくんは弾き語りもするし、ビート・ミュージック的なライブもするし、常に模索している人ですね。SHUTLでやるにあたって、先ほど言ったような、クラブとギャラリーの間のようなライブをしてくれるんじゃないかと予想して、オファーしました。
実際はギャラリー寄りというか、アンビエントなアプローチで、それもまた意外で面白く、お客さんの反応も良かったですね。イベントごとに違ったスタイルを見せてくれる、刺激的なアーティストだと思います。
sute_aca:AOTQさんも数年ぶりのライブとのことでしたが、サンプラー1台という潔いセッティングで驚きました。内容も素晴らしかったですし、久しぶりにライブが観れて単純に嬉しかったです。
Tsudio:AOTQさんも、sute_acaさんが「出演して欲しい」と企画の際に名前を挙げた一人ですね。彼の音楽性──空調の効いた無人の部屋で鳴っているようなあの音が、SHUTLのあの空間に響くと、すごく理想的なヴァーチャルなサウンドになっていると思いました。空間演出とも合っていましたし。
黒田:空間演出に関しては、照明演出家の渡邉菜見子さんにお願いしました。渡邉さんはこれまでも展覧会や音楽イベントの照明を多数手掛けている方です。音に反応する蛍光灯を使った舞台装置が、東銀座の町中でビカビカと光っている風景は、かなり異質でインパクトがあったと思います。リハ-サルの段階で、渡邉さんがAOTQさんの演奏を聴いて、AOTQさんの音楽に近いイメージの演出を即興で行っていたようです。
Tsudio:お客さんから自然と、心からの拍手が起こっていましたね。
sute_aca:あの瞬間は「LAF」のハイライトだったと思います。
後編へつづく
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