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(INTERVIEW)

【INTERVIEW】西脇衣織 個展「どこかの誰かになる旅」

2026年最初の展示として、SHUTLでは西脇衣織 個展「どこかの誰かになる旅」を開催しています。
本インタビューでは、これまでの制作の歩みから、本展に込めた思い、そして“誰かの時間”と向き合う制作について、西脇衣織さんにお話を伺いました。

インタビュアー:SHUTLディレクター 黒田 純平(株式会社マガザン)

これまでの活動について

まずは、ご自身のこれまでの制作や活動について教えてください。

西脇衣織(以降、西脇):幼少期から絵を描くことが好きで、将来の夢は「画家になること」一択でした。
美術科のある高校を卒業後、京都精華大の版画コースでリトグラフを学びました。
現在は京都を拠点に制作活動を行なっています。

プロフィールでは、「幼少期から自分がそこに存在しているという実感のないまま育った」と綴られています。その感覚は、現在の作品や制作態度にどのようにつながっていると感じていますか。

西脇:言語化できない不在感は、私を私たらしめる感覚として受け入れていて、結構ネガティヴな印象を与えるかと思うのですが、寂しさや孤独ではなく、自分が持って生まれた感覚なのかなと思ってます。
制作に対しても「残り続けるもの」を作る意識はなく、逆に風化して、忘れられて、朽ちていく表現を軸に制作しています。

撮影:山根香

素材と「誰かの時間」について

作品では、古紙や古書、街に落ちていた廃材など、「誰かの生活の痕跡」が染み込んだ素材が一貫して用いられています。こうした素材を扱うようになったきっかけを教えてください。

西脇:大きなきっかけではありませんが幼少期から様々な収集癖があり、物を拾うことも大好きなので、その延長線上で制作においても遺失物を使用しています。

本展では、父親の仕事の手伝いを通じて訪れた「人が去った後の部屋」から素材を得ている点が印象的です。その空間に足を踏み入れたときの考えを教えてください。

西脇:初めてそういった空間を訪れたのは大学生の頃で、夜逃げした部屋や、身寄りのないご老人が住んでた部屋などいろんな方の暮らしの跡を見てきました。まず一番に感じたのは「居ないのに居る」感覚でした。私が感じてきた「居るのに居ない」感覚と同じ匂いがして、その意識に惹かれました。
その瞬間に、自分の表現することはこれだ、と決め、同時にこの不在感を受け入れるきっかけにもなりました。

撮影:山根香

コラージュという行為について

集めた素材を解体し、切り貼りを重ねて再構築するコラージュという行為について、「制作」をどのような行為として捉えていますか。

西脇:切り貼りを重ねる行為は魂の蓄積を意味していて、私の勝手で形を変えて作品になる、無常な流れを表現するにはコラージュという方法がしっくりきます。

他者の時間を宿した素材が、作家自身の「勝手な解釈と手」によって不可逆的に変化していくことに、諸行無常の感覚を見出していると感じました。 この変化について、制作においてどのような意味を持っていますか。

西脇:何者でもない存在に還ることが、この変化における最終着地点です。

撮影:山根香

「どこかの誰かになる旅」について

今回の個展タイトル「どこかの誰かになる旅」には、どのような思いやイメージが込められていますか。

西脇:個展の準備期間中に訪れた部屋の中でタイトルが思いつきました。
いろんな人の部屋に訪れて集めた素材で作った作品を鑑賞していただき、その不在の魂に触れて、風化を体験していただけたらなと思います。

撮影:山根香

本展では、展示作品の世界観を日常へと持ち帰っていただける作家によるオリジナルグッズも展開しております。
作品制作の過程や、素材が内包する「誰かの時間」に通じる要素を落とし込んだアイテムは、鑑賞体験の余韻として静かに手元に残るものです。

展示とあわせて、ぜひ会場にてお手に取ってご覧ください。

撮影:SHUTL

旧ロングスリーブTシャツ ¥4,950

撮影:SHUTL

ステンシル石・大 ¥3,300
ステンシル石・小 ¥2,200

撮影:SHUTL

アロマキャンドル ¥3,850

撮影:SHUTL

ステッカー ¥330

撮影:SHUTL

一点物うちわ ¥4,400

撮影:SHUTL

マッチ箱 ¥330

撮影:SHUTL

ポストカード ¥550

撮影:SHUTL

zine ¥1,980

撮影:SHUTL

A4ポスター ¥1,650
旧A4ポスター ¥1,430

(PROFILE)

(LINKS)

西脇衣織 / Iori Nishiwaki

1995年生
京都精華大学版画コース卒業後4年間東京を拠点に活動、現在は京都に移住し制作を続けている。古紙にドローイング、ペイントしたものを素材にしてコラージュで作品制作を行なっている。幼少期から自分がそこに存在してるという実感のないまま育った為か、街に人知れず佇み、風化していく存在に自分を重ねることが多い。重ねられた壁の落書きや貼り紙、誰が何のためにそこに置いたのかさえ不明な石、出口がなくなりそこで亡くなってしまった虫達の亡骸、そういった存在は、自身の大部分であり、制作において多大なインスピレーションを受けている。今回の個展で展示する作品も、そういった街の風化をコンセプトに街に落ちていた廃材や古紙を使用した作品展開を行っている。

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