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【INTERVIEW】京都・お香専門店「香老舗 松栄堂」とのコラボにより生まれた3種の香りとは?

2022年に解体された中銀カプセルタワービルのカプセルの魅力を再発見し、今の時代に即した文化を発信していく新たなアート&カルチャースペース「SHUTL(シャトル)」。建築家・黒川紀章が設計した新陳代謝をコンセプトとしたカプセル2基とそれらを格納する新たな空間を舞台に、日本文化そのものの新陳代謝の展開を目的とし、現代の表現者が日本文化と出会い直し、自らの表現と伝統を結びつけることで、「未来のオーセンティック」を生み出す実験場(ラボ)として2023年10月から動き出しています。

SHUTLのオリジナルグッズ「SHUTL Incense」を製作いただいた「香老舗 松栄堂」さんに、SHUTLをイメージしたお香について、そしてSHUTLプロジェクトへの想いを伺いました。

インタビュー:武田 真彦(株式会社マガザン/SHUTLディレクター/サウンドデザイナー)、小倉 ちあき
ライティング:小倉 ちあき

香老舗 松栄堂について

SHUTL:今回コラボレーションさせていただいた、江戸時代創業のお香専門店「香老舗 松栄堂」さん。活動について教えてください。

松栄堂:私たちは、およそ300年前に京都で創業しました。仏事用の薫香をはじめ、茶の湯で使う練香や印香、お座敷用の高級線香や手軽なインセンス、匂い袋や防虫香など「香百般」の製造と販売に携わっています。
香文化、そして日本文化の担い手として、少しでも多くの人にお香の世界を紹介したいと考えています。

①明治時代の松栄堂外観

②現在の松栄堂京都本店外観

③様々なお香

SHUTL:香づくりをする上で、松栄堂様が大切にしていることはどんなことでしょうか?

松栄堂:「良い品を作り出すことは下手な宣伝に勝る」という信条です。品質にこだわった原材料と、それを生かすことができる技術をもって、創業以来、真摯にものづくりをおこなっています。

④香作りの風景(左:香割 右:生付け)

コンセプトとお香との呼応

SHUTL:SHUTLと松栄堂さんとのコラボレーションにより、オリジナルグッズ「SHUTL Incense」が誕生しました。3種類の香り「伝統」「未来」「余白」は、それぞれSHUTLのコンセプト【Launching Authentic Futures】と結びついたものですが、制作について振り返りたいです。

松栄堂:五感に訴える体験を大切にされているSHUTLの担当者の方より、「香りは『記憶』と強く結びついている感覚だと考えられているため、SHUTLでの体験を思い返していただけるようなグッズを作りたい」という想いを伺い、今回のコラボレーションに至りました。

SHUTL:SHUTLには3つの空間があります。
1つめは竣工当時の姿に修復された「CAPSULE A - A906 (オリジナル)」の空間、
2つめは解体したカプセルの姿を残した未来感のあるスペース「CAPSULE B - A1006 (スケルトン)」の空間、
そして3つめは、2つのカプセルの間と外の余白のスペース「FREEDOM SPACE /OUTER SPACE」です。

これらの空間に、それぞれの香りをつくってみようという話になりましたね。

松栄堂:はい。まずは、SHUTLの皆さまとそれぞれを、「伝統」「未来」「余白」という3つのテーマに置き換えることからスタートしました。

SHUTL:香りを表現するために、特にどんなところを意識されましたか?

松栄堂:松竹株式会社様の創業地である、京都のエッセンスも入れていきたいという意向をお伺いしたので、その点を意識しながらテーマに沿う香りをピックアップしました。その後、3つのテーマに合う香りを実際に火をつけて、SHUTL担当者に試していただきながら、決定していきました。

SHUTL:そうでしたね。まず「伝統 Tradition|京都の伝統的な香り」は、伝統的な和の香りを表現した「銘香 芳輪(めいこう ほうりん)」シリーズより、京都本店のある二条通を名前にした「芳輪 二条」という香りを。

「未来 Futures |未来のオーセンティックを目指す都会の香り」では、旅先で出会った風景や人、音や光を思い出すことをコンセプトにした「薫路(くんろ)」シリーズより、すっきりとした香りが広がる「薫路 草奏」をセレクト。

そして「余白 Freedom|自由な表現を生み出す余白」は、自由なイメージを膨らませていただけるように、普段、松栄堂で販売されていないオリジナルの香りを選びました。

松栄堂:香りだけでなく、パッケージなどにもこだわっておられますよね。

SHUTL:パッケージのデザインは、黒を背景にSHUTLのロゴをシンプルに配置した、ミニマルな印象のデザインです。SHUTLの想いやこだわりをイメージしています。

SHUTL Incense パッケージ外側のデザイン

SHUTL Incense パッケージ内側のデザイン

SHUTLの香りはどうやって誕生した?

SHUTL:完成したお香の特徴・こだわり部分について、教えていただけますでしょうか?

松栄堂:まず、「伝統 Tradition|京都の伝統的な香り」は、オリジナルカプセルのイメージ。白檀を基調とした伝統的な香りに、華やかさを添えています。

「未来 Futures |未来のオーセンティックを目指す都会の香り」は、スケルトンカプセルのイメージ。白檀を基調とし、すっきりと爽やかな香り。

そして「余白 Freedom|自由な表現を生み出す余白」は、FREEDOM SPACE / OUTER SPACE のイメージ。花の香りとフルーティな甘さが感じられる香りとなっています。SHUTLならではの特徴的な3種の香りが完成したと思っています。

SHUTL Incense

これから実験していきたいこと

SHUTL:SHUTLには、「伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場」というテーマがあります。松栄堂様がSHUTLで試してみたいことや、今後新たに取り組んでいきたいことなどがあれば教えてください。

松栄堂:SHUTLで起こっているさまざまな実験の追体験に、この「SHUTL Incense」が少しでもお役に立てると嬉しいです。

松栄堂は京都創業ではありますが、東京の人形町、銀座にもそれぞれ直営店舗があります。東銀座にも近い場所ですので、今後も何か一緒に連携をしながら新しい取り組みができれば嬉しいです。

*①〜④の画像提供:香老舗 松栄堂

(PROFILE)

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香老舗 松栄堂

おおよそ300年前、京都で創業して以来、今日まで香づくり一筋に歩んでまいりました。 私たちがお作りするのは、宗教用の薫香をはじめ、茶の湯の席で用いる香木や練香、 お座敷用のお線香や手軽なインセンス、匂い袋など「香百般」。 香文化の担い手として、時の年輪を暖簾に刻みながら、これからも香りの歴史を重ねてまいります。

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SHUTLは現代の表現者が、伝統と出会い直し、時間を超えたコラボレーションを行うことで新たな表現方法を模索する創造活動の実験場です。スペース利用から、メディアへの掲載、コラボレーションまで、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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