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(INTERVIEW)

祝1周年!展示「SHUTL 1st ANNIVERSARY EXHIBITION『SYSTEM』」が生まれるまで。(前編)

スペース「SHUTL(シャトル)」が、2024年10月にオープン1周年を迎えます。これを記念した、「SHUTL 1st ANNIVERSARY EXHIBITION『SYSTEM』」が2024年10月10日〜14日に開催されます。

期間中に、テクノロジーを用いて実験と表現を行うグループ・SPEKTRAと音楽ユニット・Sawa Angstromが共同で制作した作品が出展されます。「かなり実験的な作品になる」と口を揃える2組。期待が高まる中、どのような作品が生まれつつあるのか、制作真っ最中の2組にお話を伺いました。

インタビュー:武田 真彦(株式会社マガザン/SHUTLディレクター/サウンドデザイナー)、小倉 ちあき
ライティング:小倉 ちあき

SPEKTRA + Sawa Angstromについて

まず、SPEKTRAさんの活動についてお伺いしたいです。

Ikeda(SPEKTRA):2017年末に活動開始。「作り方をつくる」をコンセプトに活動しています。もともとコミュニティ・コレクティブ的に立ち上がったこともあり、固定したメンバーという概念はなく、プロジェクトごとに、流動的にメンバーが変わるスタイルです。具体的には、インスタレーション展示やMV制作、ライブ演出、クラブでのVJ、ワークショップの実施、イベントの主催、などさまざまです。

Goto(SPEKTRA):エンジニアやビジュアルアーティストなど多岐にわたるメンバーが参加していて、プロジェクトに合わせてチーム編成が変わります。現在は20名ほどかな?情報交換はチャットサービス「Discord」で行っています。領域はアートやエンタメに限定しているわけではなく、常にアイデアを表現するための新しい方法を模索しています。

ちなみに制作するときは、どうやって担当者を決めているんですか?

Ikeda(SPEKTRA):スレッド上で「こんなプロジェクトあるけどどう?」と話題をあげて、やりたい人の挙手制です(笑)。もともとSPEKTRAの活動自体は京都で始まり、プロジェクトを重ねることで次第に他の地域にも仲間の輪が広がって来ました。そこでつながった信頼できる専門家とタッグを組んで、プロジェクトを進めることも多いです。地域に限定せず、活動も多様化していますね。

ユニークですね。 続いて、Sawa Angstromさんの活動についてもお願いします。

Hamada(Sawa):もともと僕とYoshiokaさんが知り合いで、ソロ活動をしていたMarinaちゃんに出会ったんです。すごくいい歌い手だなと思って、声をかけて、3人でバンド結成することになりました。それが2017年ですね。

エレクトロミュージックがやりたくて、結成後手応えがあったので、そのテンションのまましっかり活動してみようという話になったことを覚えていますね。当初はインディーズで活動していましたが、2023年にソニーミュージックからメジャーデビューしてからは、3曲リリースしています。

最近では、2024年度"Spotify on PlayStation"のタイアップ楽曲として「BUBBLE!」をリリースしました。

3名での制作は、いつもどのようにされているんですか?

Yoshioka(Sawa):僕がミックスエンジニアでレコーディングスタジオを経営しているので、そこに集まって制作していますね。役割分担は特にしていません。

Marina(Sawa):「メロディずもう」をしています(笑)。テーマを先に決めて、3人で世界観を共有してから、音に合う感情のある言葉を重ねたり。ニュアンスを話し合ったりしながら、感情をシェアしながらつくっています。トラック制作に関しては、基本的にYoshiokaさんが形にしていくスタイルです。

SPEKTRA + Sawa Angstromのこれまでと今

SPEKTRAさんとSawa Angstromさんは、これまでにも様々な作品制作でご一緒されていますね。

Ikeda(SPEKTRA):そうですね。最近だと、2023年12月4日〜2024年2月29日に京都市にある商業施設「新風館」の中庭全体でインスタレーションをしました。相互作用というテーマで制作した「Interplay」という作品で、自然の草木と一体化した存在感を示したものでした。

Ikeda(SPEKTRA):プロジェクトメンバーで集まって、コンセプト的なことを自由に話し合うところからスタート。空間をどう使う?連携するにはどうする?とか。お互いにジャンルを越えて、アイデアを出し合いましたね。

Goto(SPEKTRA):コンセプトとしては、視覚的なテーマと体験全体のテーマの統合を目指しました。光を一部反射し、一部透過するハーフミラーを活用しながら、聴覚と視覚、人間と環境など、いろんなものが相互作用する空間を目指しました。

Yoshioka(Sawa):音楽側のアイデアを実装に落とし込む際には、音楽制作ソフト「Ableton Live」を使いましたね。プログラミングと視覚演出のプロ+音楽のプロ。音のシステムと視覚のシステムが相互に通信を行いつつ曲が変化し常に異なる瞬間が生成されるシステムが完成しました。

まさに実験ですね。お互いの共通言語があるからこそ、実現できることのような気もしました。

Yoshioka(Sawa):それはあるかもしれません。SPEKTRAのメンバーが、「Sawaさん、こんなのやってみません?」というのがバチッとハマるんですよね。

Hamada(Sawa):2023年に「QUEST」という曲のMVを作っていただいた時も、僕が「CGと現実世界が混ざったような世界観にしてほしい!」といった無茶振りを、しっかり実現してくれましたね。実現不可能なお願いだと思っていたのに(笑)

Ikeda(SPEKTRA):僕らはあらかじめ映像をかっちり作り込んでいくというよりは、リアルタイムに現場で作っていくことが多いかもしれません。実際に動かしてみて生まれる変化とか、そういう予期しない部分に面白さが眠っていると思うんです。こんなことをしたらかっこいいんじゃない?を互いにぶつけることで、想像し得なかった到着点にたどり着く、みたいな。

後編に続く……

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SPEKTRA|スペクトラ

SPEKTRAは実験と表現を行う京都を拠点に活動するグループです。 プロジェクトや場に応じてメンバーはダイナミックに変化し、私たちのアイデアを表現する新しい方法を模索します。

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Sawa Angstrom |サワ オングストローム

児玉真吏奈を中心に、 吉岡哲志、 浜田淳の 3 人で結成された京都発のオルタナティブ ・ エレクトロニック ・ グループ。

メンバーそれぞれが独立したミュージシャンとして音楽活動を積極的に行なっており、インディー界隈や広告業界に熱心なコアファンが多く存在している。

メンバー全員がそれぞれ独自にシンセサイズした音を駆使し、ヴォーカルを含む様々な音をチョップして再構築したトラックスタイルを主軸に、ブレイク ・ ビーツ、 アンビエント ・ テクノ、 チルポップ、 クリックハウスなどをオーバーレイさせたオルタナティブなエレクトロニックスタイルが特徴。

2018 年冬にグループ初の作品となる 1stCD-EP 「DdTPt」を発表。リリース直後に、 EU4 ヶ国 6 ヶ所と台湾 2 ヶ所のワールドツアーを決行し、国内より先に海外で評価を得ることとなる。「DdTpt」収録曲の”denchi”が、2019年『Apple Music 年間 TOP100 トラック』に選出された。

過去には楽曲がドスパラのハイスペックゲーミング PC 「GALLERIA」 や富士フィルムのチェキカメラ 「instax SQUARE SQ1」のCMソングに起用されるなど、 広告業界内からの支持も厚い。

また最新シングル 「BUBBLE!」 は2024年度「Spotify on PlayStation」のタイアップ楽曲として起用されて話題を集めた。

2023年から再始動した通称”Sawa”。

今後国内外での飛躍が期待されるアップカミングアーティストである。

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