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(INTERVIEW)

祝1周年!展示「SHUTL 1st ANNIVERSARY EXHIBITION『SYSTEM』」が生まれるまで。(後編)

「SHUTL(シャトル)」のオープン1周年を記念して、2024年10月10日〜14日に開催される「SHUTL 1st ANNIVERSARY EXHIBITION『SYSTEM』」。

前編に引き続き、これまでもコラボを重ねてきた、SPEKTRAとSawa Angstromに、作品の全貌について、伺っていきます。

インタビュー:武田 真彦(株式会社マガザン/SHUTLディレクター/サウンドデザイナー)、小倉 ちあき
ライティング:小倉 ちあき

SHUTLのコンセプトとの呼応

さて、SHUTL1周年記念の展示について伺っていきたいと思います。今回のコンセプト「SYSTEM(システム)」は、どのような思いやアイデアから生まれたのでしょうか?

黒田(SHUTL):今回キュレーションを担当する際に意識したのは、社会システムに対する文化的な発信です。この1年間、SHUTLは現代美術だけではなく、さまざまなカルチャーに呼応する展示を行ってきました。本展覧会『SYSTEM』に関しては、SPEKTRA + Sawa Angstromというチームが構成した構造を社会システムと見立て、これからの社会システムがどういうふうに変革を起こすのか、その有様を再認識できるような展覧会にしたいと考えました。

それを受けた2組にとって、SHUTLでの展示というのはどのような思いがありましたか?

Ikeda(SPEKTRA):2つのカプセルがあるスペースは挑戦的でした。いい意味でもわかりやすいホワイトキューブ空間ではないので。その分、何ができるか、フラットにディスカッションを重ねながら、チームの中でコンセプトが熟成されていった感じですね。その中で、社会的なテーマとの接続がどのくらいできたのかどうかは、あまりこだわってはいません。完成してからのお楽しみ、でしょうか。

Goto(SPEKTRA):空間同士をどうつなげるか?いや、そもそも成立しなくていいんだっけ?というのは、かなり話し合った気がします。それが結果的に、展示のコンセプトにつながっていくプロセスだったのかも。

なるほど。作品の概要をお聞かせください(現在制作中のため、詳細は答えられないかもしれませんが……!)

Ikeda(SPEKTRA):カプセル内は外の音が聞こえる環境。これをどう活かすか?半分離れていて、半分つながっているともいえます。カプセル空間は独立しているが、完全には分けられない。区切られつつも、一つの体験としてつながっているということを、意識しながら制作しています。それぞれ置いてある作品がたとえバラバラでも、それが相互に関係するように。

ポイントは3つです。「全体のシステムとしては、一見バラバラに見える要素が信号をやり取りし、相互に影響し合う構造を持つこと」、「個別の作品や音は独立しているように見えるが、裏側では全てがシステムとして連携し、鑑賞体験を作り出すもの」、「視覚的にも聴覚的にも統合されたシステムで、個々の作品が一体となって機能していること」

Yoshioka(Sawa):SHUTLのカプセルは、建築運動「メタボリズム」の代表的な建築物です。この「メタボリズム」というコンセプトからイメージした音楽と、先ほどIkedaさんがいわれたSPEKTRAとしての表現をどう音楽として反映させるか……?

僕らが今考えているのが、循環システム。受け取った情報を別の数値や情報に置き換えて別のオブジェクトに送り返せないか、ということです。SPEKTRAのシステムが、音に再構築されて、それがまたシステムに戻り、音に戻ってくるというような循環です。その循環が、視覚的にも音楽的にも、面白いものになるようなイメージをしながら実験を続けている状態です。

もしかしたら今のところ、全体像を把握できているのは、Sawaのメンバー内で僕だけかもしれません(笑)

Hamada(Sawa):ひと目見て、一瞬で表現したいことがわかる、というようなキャッチーさも求めています。深掘りとキャッチーさのバランス。説明無しでもわかるようなインスタレーション体験であればいいなと。
新風館でSPEKTRAとおこなったインスタレーションで、小さい女の子が踊っていた姿を見て、大成功だと思ったことがあったんです。そこまでキャッチーに落とし込めたらかっこいいかもしれませんね。

興味深いですね。双方向の体験って想像しにくい分、逆に言うと可能性がある。受け手にとっても自由度が高い、新しい機会になるかもしれませんね。

Ikeda(SPEKTRA):しばらくいるうちに、徐々に繋がりが感じられるような相互作用が体験として作れたら嬉しいです。

Goto(SPEKTRA):2つのカプセルと真ん中の空間を、うまく使いたいですね。こういうふうにつくっているんだなということが、ジワジワとわかる仕組みが作れれば、面白い鑑賞体験になるのではないかと。

Marina(Sawa):鑑賞した後に、答えが見つかるよりは不思議が残るもの、過去とか未来、置かれた場所とか。「はてな」が頭に浮かぶと成功かなと思います。

ありがとうございました。当日の展示を楽しみにしたいと思います。

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SPEKTRA|スペクトラ

SPEKTRAは実験と表現を行う京都を拠点に活動するグループです。 プロジェクトや場に応じてメンバーはダイナミックに変化し、私たちのアイデアを表現する新しい方法を模索します。

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Sawa Angstrom |サワ オングストローム

児玉真吏奈を中心に、 吉岡哲志、 浜田淳の 3 人で結成された京都発のオルタナティブ ・ エレクトロニック ・ グループ。

メンバーそれぞれが独立したミュージシャンとして音楽活動を積極的に行なっており、インディー界隈や広告業界に熱心なコアファンが多く存在している。

メンバー全員がそれぞれ独自にシンセサイズした音を駆使し、ヴォーカルを含む様々な音をチョップして再構築したトラックスタイルを主軸に、ブレイク ・ ビーツ、 アンビエント ・ テクノ、 チルポップ、 クリックハウスなどをオーバーレイさせたオルタナティブなエレクトロニックスタイルが特徴。

2018 年冬にグループ初の作品となる 1stCD-EP 「DdTPt」を発表。リリース直後に、 EU4 ヶ国 6 ヶ所と台湾 2 ヶ所のワールドツアーを決行し、国内より先に海外で評価を得ることとなる。「DdTpt」収録曲の”denchi”が、2019年『Apple Music 年間 TOP100 トラック』に選出された。

過去には楽曲がドスパラのハイスペックゲーミング PC 「GALLERIA」 や富士フィルムのチェキカメラ 「instax SQUARE SQ1」のCMソングに起用されるなど、 広告業界内からの支持も厚い。

また最新シングル 「BUBBLE!」 は2024年度「Spotify on PlayStation」のタイアップ楽曲として起用されて話題を集めた。

2023年から再始動した通称”Sawa”。

今後国内外での飛躍が期待されるアップカミングアーティストである。

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